今回の記事はこんな方におすすめの記事です。
- イタクァについて知りたい
- イタクァをオリジナルシナリオに使いたい
イタクァは天候を操り、雪や吹雪を起こすクトゥルフ神話の神格です。
しかし、イタクァって実際どんな神格なのかわかりませんよね。
そこで、今回はイタクァについて紹介します。
この記事では以下のことがわかります。
- イタクァってどんな神格なの?
- イタクァをシナリオに活かす3つの方法
私はクトゥルフ神話TRPGのシナリオを書いており、コミックマーケットやゲームマーケットにシナリオを出品しています。今回の記事はシナリオライターの視点から「クトゥルフ神話TRPGマレウス・モンストロルム」に基づいた情報をもとに、独自の視点と解釈を取り入れています。あらかじめ、ご理解した上でお楽しみください。
イタクァってどんな神格?
イタクァは、北極圏や極北の荒野に姿を見せるとされるグレート・オールド・ワンです。
吹雪や強風、そして突然の失踪事件と結びつくことが多く、「雪国の怪異」や「行方不明の連鎖」「極寒でのサバイバル」といったテーマにしたシナリオに登場させることができます。
見た目は巨大な骸骨のようで、咆哮ひとつで人の心をむしばみます。
この神格に噛みつかれた者は数日後、風に乗りて歩むものへと変質してしまうと語られます。
さらに、雪を降らせ、気温を急激に下げ、猛吹雪を引き起こすなど天候を自在に操れるため、移動や通信、救助活動を同時に妨害して状況を一気に悪化させます。
それに加えて、ノフ=ケーやシャンタク鳥を呼び寄せることもでき、間接的に探索者を襲わせる展開も作ることが可能です。
この神格をシナリオに登場させることで、極寒と風という自然の驚異とクトゥルフ神話ならではの恐怖を直感的に伝えやすくなります。
吹雪を起こすことができる神格を探しているなら、イタクァがおすすめです。
イタクァをシナリオに活かす3つの方法

個人的にシナリオに活用する際のアイデアを3つ紹介します。
- 天候を操る邪神として登場させる
- 極夜で起きた怪異の原因として登場させる
- 人間から神話生物になる原因として登場させる
それでは、一つずつ紹介します。
天候を操る邪神として登場させる
雪や吹雪を操る神格を登場させたいなら、イタクァがおすすめです。
イタクァは気温を急激に下げ、雪や猛吹雪を発生させる能力を持つからです。
この能力により探索者の足を止めたり移動経路を断ったりする状況を自然に作れます。
この天候操作をシナリオに組み込めば、外部との往来が断たれた「クローズドサークル(外界と遮断された舞台)」をどんな場所でも成立させやすくなります。
その結果、探索範囲は絞られ、捜索やクリアに必要な推理の焦点が明確になります。
さらに、低体温症のリスクが常につきまとい、体力の消耗や装備の凍結が時間制限として機能するため、探索者に継続的な緊張感を与えられます。
雪と吹雪を軸にしたクローズド系のシナリオを作るなら、イタクァがぴったりでしょう。
極夜で起きた怪異の原因として登場させる
北極圏を舞台としたシナリオを作りたいなら、その黒幕としてイタクァを登場させましょう。
なぜなら、イタクァは北極圏で目撃されているからです。
イタクァをシナリオに登場させると、以下のような展開を作ることができます。
極夜の観測拠点から救難信号が届き、現地に向かった探索者は、連続失踪の原因がイタクァの咆哮と天候操作にあると突き止める。咆哮は人の理性を削り、猛吹雪は足跡を消し、通信を遮断して捜索を著しく不利にする。そこで一行は気象ログと無線の録音を突き合わせ、風向が一瞬だけ反転して吹雪がおさまる“静穏の窓”を割り出し、そのタイミングに合わせて拠点へ進入する。行動中は命綱の結索を徹底し、発煙による合図と厳密な保温管理で隊列を維持。祠に供えられた供物、儀式を行う詠唱者、風向で描かれる印形という三つの要素を順に断ち切り、吹雪そのものの“声”を止めにかかる。正面から戦うのではなく、限られた時間を窓と手順で制することがこの作戦の肝であり、常に撤退計画を前提に進めるのが生還の条件となる。
北極圏を舞台にしたシナリオを作りたいなら、敵役としてイタクァを登場させましょう。
人間から神話生物になる原因として登場させる
人間から化け物になる展開を作りたいなら、その元凶としてイタクァを採用しましょう。
イタクァが噛みつくと、数日後に風に乗りて歩むものに変わるからです。
この設定をシナリオに組み込むと、以下のような流れを作ることができます。
探索者の友人が噛みつかれ、数日以内に“風に乗りて歩むもの”へ変わる恐れがある。この切迫した状況から始まる。変質は完全に止められなくとも、隔離と保温、適切な医療処置で遅らせることができ、感情的な衝突や混乱は症状を悪化させるため厳禁だ。対処の基本は体温管理と鎮静、そして視覚刺激を減らしてイタクァの咆哮がもたらす影響を遮ることである。清めた塩や符号化した祈りの言葉など、安全性の高い民俗的手順を“儀礼の逆操作”として試みる。このシナリオは友人を元の人間に取り戻すことが最終目標となる。
この設定をシナリオに使うことで、クトゥルフ神話の脅威と戦って解決するのではなく、どうすればその問題を解決すればいいのか、探索者に考えさせることができます。
神話生物や神格の脅威から誰かを救い出す展開を作りたいなら、イタクァがおすすめです。
それではまとめに入ります。
まとめ
イタクァはクトゥルフ神話TRPGにおいて気温や吹雪を操ることができる神格です。
この神格は北極圏を舞台にしたシナリオに組み込むことができます。
ただし、イタクァはあくまでクトゥルフ神話TRPGの神格を一つです。
クトゥルフの神格について知りたいなら新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.2神格編というサプリメントが必要です。
そのサプリメントについて知りたい方はこちらの記事でまとめています。